心の旅路

第1話

  8.捨てられる子供達


ところが、お年寄りの施設に行っていた時に、今度は親の無い子供がいるということを聞いた。それで今度は、そういう処に行き始めた。
未だに、そういう施設の人達とは交流があるんですけれども、時間が無いので、しょっちゅう行けなくなったんですけどもね。よく、子供が書いた手紙が来たり、いろんな交流があるんですね。
そうすると、そういうもの一つにしても、私自身、全然知らなかった事ですね。
私が小学校の頃に、親の無い子供を集めて世話をする施設があって、そこの子供は学用品が全部無料だった。そういうものは記憶に残っている訳ですけれども、昔からそういう施設みたいなものはあったんですね。
しかし、私は大人になってからも、そんな人達の事を考えた事も無かったんですね。
ところが、両親がいても捨てられた子供、生まれて直ぐ、もう胎盤が付いたままで捨てられた子供もいる訳ですよ。
そういう子供でも、実は育っていく訳ですね。また育てる人がいるんですねぇ……。世の中というのはいろいろですね。
そして、ある程度大きくなって、その施設から巣立って行った子が、正月になり、お盆になった時に、「そこを通ったから」と言って、家に帰って来る気持ちで、みんな施設に帰って来る訳ですね……。
中には、ぐれていく人もいるかもしれないけれども、やっぱり一所懸命生きている人もいるんですよ。――そういう事や、いろんな事が分かってきた訳です。
こういう交流を始めてから一年半位が経ったんですが、反省も毎日、一所懸命に続けていた訳です。
まぁ、最初の頃は、一〇分か一五分位すると、もう出来なくなるんですよ。一〇分位したら、もう一時間以上、反省をしたつもりで眼を開いてみたら、「なんだ、一〇分か」なんて、そういう事を繰り返していたんですね。
ところが、どんどん……やっていったら、やっぱりこれも訓練ですね、自分を培う――そういうものが無かったら続かないんですね。これは何でもそうですよね。
私は諦めずに、自分が本当に出来る処までやっていった訳です。そうしたら、何時の間にか、一時間半位、本当にアッという間に過ぎるようになってきたんですね。
そういう時には、本当に真剣に――真剣にやらないって事はないですけどもね――その時にやっていた事が、物凄く身に付いていったんですね。



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