第一話 『人間とは何ぞや』関連の参考講話 短編集
11、あの世とこの世を繋ぐ霊子線――自分はあの世の住人
(62ページ『魂のグループとの対面』参照)
あの世という処は、一体どういう処なんでしょうか? ――あの世というのも、これは信じて貰う以外にないですけれどもね。
私が自分の肉体から魂が離れてズーッと出て行くと、他の世界がある。全然違う世界があるんですよ。非物質の世界。光明の世界。
しかも、同じ人間が住んでいるんですよ。その世界には、眼の色が違う人、皮膚の色の違う人、いろんな人種が沢山いる処ですね。人間が沢山住んでいる。
で、話をするんですが、みんな言葉が違う訳ですね。しかし、言葉が違っても、何を喋っているかが、みんな分かるんですよ。そういう世界――それがあの世。
本当は、私達はあの世の住人なんです。今、あの世からこの肉体を使って、いろんな事をやっている訳です。箱眼鏡で観ているようなものですね。ただ、五官を通すから分からないだけなんですね。
そして、(魂の)自分が体から抜けて行ったら、実は、肉体の自分は動かないんですね。夜寝ているのと一緒ですよ。意識だけが別の世界へ行っている訳です。
その間、体の方は口だけ動かして、いろんな事を一所懸命に喋っている。この喋っているのは、実はこちらの世界(あの世)で喋っている言葉が口から出て来る訳です。
これが霊子線(肉体と魂を結ぶ線・魂意識の通路、光のドーム)で繋がっているんですね。丁度この蛍光灯のような白金色をしています。みんな其々がこの霊子線によって、出て来た処と繋がっている訳ですよ。
死ぬという事は、それが切れてしまう事ですね。切れる時には音がしますよ。
それで、違う言葉で一所懸命喋ったり笑ったりするから、傍にいる人は、何だかおかしいなと思うでしょうね。私の女房でも、横にいて、
「おとうさん、おとうさん……」
と、言っているけれども、私の体は動かないんですね。
女房の方は「これは、いよいよ大変だ」と思っているけれど、その時には、その女房の姿も、私の姿も全部観ているし、声も聴いているし、心の中も分かるんですよ。
「ああ……呼んでるから帰らなくては」と、思った途端にスーッと自分の体に帰ってくる。しかも、この世的に言えば、自分の袋みたいなのがあって、ここにスーッと入って来る。ショックが起きないように弾力があって受け止める。
「おー、帰って来たな……どうしていたのかな?」というふうですね。
そういう事は、別に不思議でも何でもないんですね。呼吸も普通にしてる訳です。
今度は、地獄という暗い方に行ってみる。本当にとんでもない凄まじい、恐ろしい処がある。実際、そういう世界もある訳ですね。
しかしこのように、次元の違う処に行ったり出来るのは、これは自分では出来ないのです。「それじゃ、私ちょっと行って来ます」という具合にはいかないですね。
まあ、高橋先生みたいな方なら「ちょっと私行って来るよ」ってスッと行けますけどね。「私も付いて行きます」って具合にはいかないんですよ。そんな事をしたら、体まで何処かに行ってしまう。
やっぱりそれは、意識の段階が違うんですよ。
しかし、こういう事はあるんですね――これは自分の魂のグループの守護霊とか、指導霊が、その人の必要に応じて「これはこうですよ。あれはこうですよ」と、全部観せてくれる訳なんですね。
実は、私の話というものは、こういうものの中から話をさせて貰っている訳なんですね。ただ人から聞いたり、本を読んだりした事ばかりを話している訳じゃないんですよ。高橋信次先生の話を基にして、いろんな事を実行してみた。その中で分かった事、体験した事を話している訳ですよ。
1982年11月