第一話 『人間とは何ぞや』関連の参考講話 短編集
12、全てを承知で出生――あの世で組むスケジュール
(68ページ『生まれて来た目的』参照)
私達は、やらなくてはいけない大きな使命を持って、今この世に出て来ているんですよ。
宿命というものは、この生まれて来た環境の中で、その環境を調和していく。
私達が小さいと思っている自分自身の心を調和する。その調和する事が、神の意志の大調和に繋がっていく。神の意志は〝大調和〟 なんですよ。それが、私達人間の魂としての宿命なんです。
そうすると、使命というのは何か? ――これらをやる為に転生を繰り返している中で、いろんな歪を造り出してきた。この使命を果たす為には、神を通して与えて貰った物の中で環境を調和する。調和する為には、いろんな事をしなければいけない。
自分は、こういう人の子供に生まれて、何をして、そしてこういう環境を乗り越えて、そして終わっていく。
これは、全部が全部、どんな人でもちゃんと決まっているんですね。――決まっている、とそうじゃないんですよ。実は、(この世に出て来る前に)自分でちゃんとスケジュールを組んで出て来ている訳です。全てを承知で出て来ている訳ですよ。
この世的に言ったら、実はそれを(自分で決めたものを)向こう(あの世)の方から、いろんな方法で出してくれているんですね。
「あ、あなた、それが終わったら、次はこれですよ」とか「あんたは出来ないから、もっと苦しめ」とかね、出してくれる。(笑)
「ああ、あなたは、これだけ苦しむようになっているけど、よく頑張ったから、これだけで済むよ」とか、みんな向こうでやっているんですよ。
そしてこういう環境で、こういう事をやって……という、大筋のものが、一人一人ちゃんとあるんですね。
しかし、そればかりでは歩けないんですね。そうしたらそこに、ある程度の許容量というものがある訳です。この中でいろんなものを造り出している。
ところが、この大筋の中でやれば良いけれども、みんなここから脱線してしまう、飛び出してしまう。
ですから先ず、この大筋の処まで戻って来なくてはいけない。もし使命を果たさなかったら、今度生まれて来た時にやらなくてはいけない。
もし、地獄に行ったとしても、また、明るい処に帰らなければならない。
帰ったら、また出て来る。出て来たら、またこれをやらなくてはならない。
自分が果たせなかった事は、果たせるまでやるんですよ。出来るまでやらされる。――やらされるのではなくて、自分が魂に戻った時に「あ、これはいけなかった。やらなくてはいけないんだ」と分かる訳ですね。ちゃんと承知して出て来る訳ですよ。
もし、自分が人から迷惑を掛けられたとしたら「あ、これはかつて、私が人に迷惑を掛けたからなのかもしれない」と、当然こういうふうに受け取る事が必要ですね。
しかし、そんな事は考えたくないですね。
自分が、今とても環境が厳しい。苦しいけれども「これは、私はこの中で何か教わっているんだな。こういう事を乗り越えられなかったから、また今度も同じものが出て来たんだな」と――やはりものは考えようですね。
そして、一つ一つ自分というものを研いていく訳ですね。
自分というものは、
一、今、何故いるんだろうな
一、今、何をやらなくてはいけないのかな
――やはり、そういう疑問を持たなくてはいけない。
疑問を追求していったら、必ず解答を得られると思いますよ。
それには、勇気・努力・積み重ねが必要ですね。――それが、この神の意である大調和に繋がっていくと思います。
1981年6月