心の旅路

 

第一話 『人間とは何ぞや』関連の参考講話 短編集

 

20、知られざる文明の裏面――心の歪と天変地変

(148ページ『身を滅ぼす文明』参照)

 

天変地変というものも、全て、今生存している人々、その前に生存してきた人々も含めた、人間の心の歪が造り出したものなんですね。

私達のこの地球にしても、他の天体にしても、土だとか岩だとか思っているけれど、自分の体に譬えてご覧なさい。この地球も十二指腸か何かの、ほんの先くらいのものかもしれない。悪い処があったら、手術して切り取らなければならない。しかし、取ればそれだけ歪が出て来る。

人間というものは、今地球に住んでいる。そして、いろんな歪を造っている。公害一つにしてもそうですね。今もどんどん公害を出している訳ですね。

地球には重力というものと、これを取り巻いている空気というものがある。これによって、地球上のものがバラバラにならないように出来ている。

――言われたら「尤もだ、そんな事知っていますよ」と言うかもしれない。

しかし現実に、こういう事を考えた人が何人いるでしょう。

そしてこの上空の層が、この中(地球上)の全てのものを押さえている訳です。この層の中からは、空気やその他のものは地球の外に出て行かないし、また外部からこちらに入って来ないようになっている。

ですから、この地上で出した公害というものは、この上空の層の何処かに溜まる訳です。

そうすると、高橋先生の話の中にあるように、太陽は燦々と熱・光を――1秒間に200万トンの石炭を燃やした量と同じエネルギーを――私達のいる地球に常に与え続けている訳ですよ。誰も頼んでいる訳ではない。

しかし、この太陽が無かったら、私達は一瞬たりとも、生活出来ないんですよ。

ところが、今人間が出しているこのスモッグの為に、太陽の光が入らなくなってくる。今、段々そうなってきていますね。

その昔、この地球には氷河期というものがあった。これは火山の爆発によって、この層に灰が溜まり、太陽の熱・光が入らずに、氷河期になっていったんですね。

そして、そのチリが永い間に、重力によって地上に吸収され、晴れ間が出て来た。

そして、太陽の光によって、また植物・動物が住めるようになった。――これ一つ考えても何か分かりそうな気がしますね。

今、地上から出す公害=排気ガスがある。飛行機は上空を飛んでいて、何も出ないと思っているけど、とんでもないです。沢山のものが上空に溜まっているんですよ。

このまま溜めていってご覧なさい、どうなりますか? ――地下のマグマが上昇し始めますよ。地震や火山の爆発が始まる。炭酸ガスが多くなればなる程そうなる。

また、私達の身体で言うと、肝臓がありますね。私は医者じゃありませんからよく分かりませんけど、肝臓の中に網=フィルターみたいなのがありますね。体内に入った食べ物やいろんな物がどんどんこのフィルターを通って濾過していく訳ですね。この濾過した物がここに溜まってしまう。

私達の肉体というものは、ちゃんとした食べ物を食べないと、このフィルターが塞がっていく訳です。塞がった状態が、肝硬変ですね。終わり……。

地球と人間の身体はあまり変わらないですね。地球にも、実はそういう場所があるんですよ。しかし今、その許容量よりも、人間が出す公害の方が多いんです。

また他にも、私達の五官(眼・耳・鼻・舌・身)では捉えることが出来ない公害も沢山あるんですね。みんな知らないだけですよ。

そうすると、私達の生活というのは、「文明だ文明だ」「便利だ便利だ」とやっていったら大変な事になってしまう。これは他人事じゃないんですよ、自分の事なんですよ。

1980年5月



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