トップページ
本書について
著者紹介
この本を推薦いたします
指揮者 佐渡裕氏
ピアニスト 若林顕氏
音楽家 水間博明氏
本文を読む/読書コーナー
購入方法について
お問合せ
プライバシーポリシー
第1話
2007.4.16
更新
15、
縁とは約束事――嫁と姑の関係
私達は、両親と子供、そして、いろんな人との縁というものを、みんな結んで生まれて来る訳です。約束事をしている。約束事――。
そして、その時間帯によって、生まれて来て、結婚して、そして子供が出来る。
この前、こういう事を相談に来た人いるんですね、
「先生、ちょっと相談したい事があるのですが……」
「どういう事ですか?」
「実は、私が死んだら、里の墓に入りたいのですが……」
――里の墓に入りたい……要は里に帰りたい訳ですよ。
そのご婦人は、今はお姑さんと一緒に住んでいるんですね。
みんな、そんな事を思ってるんじゃないかというような話ですね、これは――。
「どうしてそんな事、言うの?」
「はぁ……先生、出来るでしょうか?」
「そんな事、私は法律家じゃないから、知りませんよ。(笑)そんな……死んでから里帰りしたなんて聞いた事ないですよ。何でそんな事、言うの?」
って聞いたら、自分の嫁ぎ先で――嫁ぎ先といっても、もう六〇歳近い人ですよ、その人。子供も、もう一人前に結婚している人なんですよ。お盆になって、お墓参りに行った。家中で行ったそうですよ。
その人のね、お姑さんが物凄く意地悪な人なんですね。悉く意地悪するんですよ。ですから、憎らしくってしょうがない訳ですね。
お墓参りに行って、手を合わせていた時に、ふと傍にいたそのお姑さんを見たそうですよ。途端にね、「私はこの人と一緒のお墓に入りたくない!」って思ったんですね。余程やられてる訳ですよ。(笑)
「あなたは、何故そんな事言うの。憎らしかったら、何故もっと中に入っていかないの。逃げるからダメなんじゃないの?」
「そんなもんでしょうか――」
――そんなもんでしょうかって言ったって、そうですね。(笑)
まぁ、これじゃあ、どうにもならないですね。お墓の中に入っても喧嘩するんじゃないでしょうかね、あれ――。
ところが、このお姑さんと嫁さんの二人の心の中を観ていったら、この二人は、実は約束しているんですね。もちろん、夫婦も約束がありますからね。
人間というのは、生まれて死んで、あの世に帰って、またこの世に出て来てと、これを繰り返している訳ですよ。生まれて死ぬ――これを繰り返してる訳ですよ。
そうすると、ズーッと(転生輪廻する中で)過去というものがある訳です。
しかも、そのお姑さんによっては、この過去の何処かで、自分の母親になった事がある人も多い訳ですよ。
そうすると、今、嫁ぎ先で厭なババアがいる、厭なジジイがいる――そう思ったらお終い。
「私はかつて、この人と親子だったかもしれない。その時に親不孝をしていたかもしれない。だから、私は少しくらい厭でも、姑に仕えよう。私は昔の恩返しをしよう」
と、そうは思えないでしょうか。その辺が、やはり大事ですね。
ところが、それが分からないから、嫁姑の争いは、何処にでもある。本当に厭ですねぇ。何とかならないでしょうかね。
お姑さん死んだら、お嫁さんは、お葬式の時は取り敢えず泣くかもしれない。しかし心の中では、バンザーイってやってるかもしれないですね。(笑)
人間というのは、本当に愚かなものですね。
しかし、そういう人は、今度、自分が姑になった時にやられるんですよ。――そうですね。何故かと言いますと、この世の中は、作用すれば、反作用というのが必ず起きるんですね。ボールを下に落とすと、弾き返してきますよね――こういう事なんですよ。上から物を落とせば跳ね返る。こうやれば、一番よく分かりますよね。
そうすると、人に意地悪したら、今度は自分が意地悪されるんですよ。それは、今はされないかもしれない。しかし、こうやってズーッと転生を繰り返してる中で、何処かで必ずやられるんですよ。
「わたしゃ、やられたっていゝわ」って、やって貰いたいという人は、話は別――。
そうすると、今、自分は人々にどういう事をしているのか。生まれて来た中で、私達のやるべき事は――人に幸せを提供する、人の為に少しでもお役に立てるような生活をする――そういう事ですね。
――次回に続く
次回「16、己が己自身を裁く――閻魔大王は己の心の中に」の更新予定は、4月第4週目です。お楽しみに。
本書体のページはPDFファイルで作成されています。(右をクリック→)
PDFファイルを見るためには、アドビリーダーというソフトが必要です。
アドビリーダーは無料で配布されています。
下記ボタンをクリックするとダウンロードができます。
当サイトの画像及びコンテンツの無断使用を禁じます。