心の旅路

第1話                                  2007.5.25更新

  19,間違った里帰り――仏壇とお墓の亡者


お盆になると、盆踊りをする。この頃は、盆踊りはカラオケを掛けてコンクールだ。(笑)盆踊りというのは、本当は亡者の踊りなんですね。亡者が、お盆になったら、かつて自分が住んでいた処から呼んでくれるから、歓喜をして踊ってる訳ですよ、嬉しくてね――。これは霊感の強い人がいて、その姿を観たことから始まった訳ですね。
それで踊っている処に、この世の人がみんなで提灯か何かを持って行く訳ですよ。それで其々の家に、踊りながらズーッと付いて来るんですね。「よくいらっしゃいました」と御馳走する訳です。
それが終わると、今度は、「お帰りください」と提灯を付けて、またズーッと送って行く訳です。そして盆踊りの群れにズーッと入って行く訳です。
中には、あんまり御馳走するから、帰りたくないって人が出て来ますね。そうすると、家の中でガタガタ……始まる訳ですよ。
私も最初、仏壇にお化けがいるなんて思わなかったんですよ。いるんですねぇ、これが……。あんな小さい処に入り込んでしまってね。
中には、夜中になったら、カタカタ……動きだすものもある。まぁ、これはお寺だから、そうなったのかどうか知りませんけどね、この前、或る方の紹介で、お寺の奥さんという人から相談があったんですが、
「実は先生、家の仏壇のお位牌が動くんですが……」
「動くって、どういうふうに動くの?」
って聞いたら、その奥さんは、実は後妻さんなんですね。ところが、動いているお位牌は前の奥さんのお位牌が動いている訳です。そこのお寺さん(御住職)と奥さんが、その部屋に寝てる訳ですよ。二人が寝静まると、前の奥さんのお位牌が動きだす訳ですよ。見てる訳ですよね、もう……。「見てるぞ、見てるぞ」って動いてるんじゃないでしょうかね。(笑)死んでも焼き餅を焼いている訳です。(笑)
「お位牌、動くの?」
「そうなんですよ、動くんです」
――これは完全にお化けですね。
ですから、そこのお寺さんでは、時々夜中に戸が開く音がする。そして今度は廊下をパタパタ……スリッパを履いて歩く音がする。戸を開けて見たら、誰もいない。
しかしそういう時には、必ず次の日になったら葬式がある。もう、先にいらっしゃる訳ですよ。
そうすると、これはね、お化けというのは本当にいるんですね。
しかし、お化けになってはいけないんですよ。――そうですね。
この世の中には、お化けなんか一杯いる。ざらにいる。
以前或る地方で、私の話をしょっちゅう聴きにみえる方がいらっしゃるんですね。この方が、講演をした次の日に、私の滞在先に相談に訪ねてみえたんです。
そうしたら、その方の横に、頭を坊主にして着物を着たお爺さん(お化け)が一緒に来ている訳ですよ。「あれぇ、この人、このお爺さんの事でみえたんじゃないかな」と、そう思ったんです。
「どうされましたか?」
「いや私はね、この前から急に腰と肩が、何か背負ったように重くてどうにもならないんですが、先生、これは一体何でしょうかねぇ……」
「あなたは最近、お墓か何処か、行きませんでしたか?」
「はい、行きました」
――お盆でしたからねぇ。しかもその方は、私の話を聴いてはいるけど、お寺とか、法事とか、そういう宗教的なものが好きなんですね。
ところがお盆休みに、たま遠くから親戚の人がお墓参りにやって来た。
早くに他の土地に移って、長い間お墓をほったらかしにしていたんですね。それで、「家の墓は何処にあるんでしょうか」
と尋ねられたんです。しかもこの人は、土地から出た人の息子さんですから、尚更分からない訳です。それでこの方は、親切よがしに、
「それじゃ、私も一緒に行って探してあげますよ」
と、こうなった訳です。ところが、昔からのお墓だったとみえて、何処にあるか分からなかったそうですよ。
とう分からずに帰って来てしまったんですよ。その晩からおかしくなった。
私は、その方の横に座っている、そのお爺さん(お化け)に聞いてみた、
「あんた、誰なの?」
「わしは、〇林じゃ」
そう言うんですね。それで、
「お宅、〇林さんって知ってる?」
「あゝっ! 先生それーっ、その人のお墓を探してたんですよー」(笑)
「あなた、その人、一緒に連れて来ているよ」
「えーっ!」(笑)
――これはお化けですね。お化けというのは、何処からか、同じような心を持っている、スキがある人を探しているんですね。少し何処かで休ませて貰おうと思っているところへ、この方がたま来た訳ですよ。――こんな事、本当にあるんですよ。
ですから、そんな事も知らずにお墓に行って、「今日は、折角来たんだから、ついでにこっちもお参りして行こう」なんて、そんな事は一切やらない方がいゝですよ。
亡者は沢山いるんですよ。私達は感じるか、感じないかだけなんですよ。
何時も言いますように、まぁ、皆さんは姿が見えないでしょうけどもね、今ここ(会場)でも、ここ(この世)から去った人、話を聴いていますよ。
しかしその人達、話を聴きに来ている人は、もうそろちゃんとした処へ帰れる人なんですよ。何処に行って話をしても、そこの会場にいるんですね。私は最初ね、「これは、一体どうなってんのかな?」って思っていたんですよ。この世の人じゃないんですね。まぁ、その程度の人なら良い訳ですよ。
ところが、こういう話なんか、「何言ってんだ」って話も聴かない人が沢山いる訳ですね。そういう仲間に入っちゃいけないですね。
私達は生まれて出て来た処がある訳ですよ。時間が終わったら、ちゃんとそこに帰らなければいけないですね。しかも、みんなこうやっていても、終わった後は会えなくなってしまう人もいるかもしれない。幸い会えれば良いですけれど、中々会えない。
自分の方が(魂の段階が)上の方だと思っていたら、何だか下の方にいて、みんなが上にいた……なんてね。(笑)
そうすると、今、私達が聴いたこういう教えを、どのようにしていくかという事が大事ですね。
私は高橋信次先生という方の教えを話している訳ですけどもね。五官で捉えて、光ったとかね、何か出て来たとか、現象化したとか、まぁ、いろんな事を言う人がいますよ。そして、みんなで集まって、「こうしなきゃいけない」、「あゝしなきゃいけない」と言ってる人、沢山いますよ。決して、そういうものではないということですよ。そんなに難しいものじゃないですね。
私達は生まれた処がある。来た処がある。ですから、「生まれて来た」、「死んで行く」という言葉がある訳ですね。
生まれた処に帰れば良い。こんな簡単な事は無い。
ところが、みんな帰らない。真っ暗闇の中を、みんな一所懸命歩いている訳ですね。
まぁ、私も話をしていてね、或る日、どっかに行っちゃったーなんてなるかも知れませんけどもね。(笑)

――次回に続く
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