第二話 『心と肉体と経済と』関連の参考講話 短編集
5、人間の死とは……
(187ページ『脳死』参照)
脳死が死だったら、私はおかしいと思いますよ。
しかし、人間というものは、どうしても「生まれて死んだらお終いだ」と思ってしまいます。偉い人もみんなそうだと思います。
ですから、この頃のお医者さんは「脳死が人間の死だ」と言うでしょう。
お医者さんが脳死の人を「あなたは、これで死んだ」と宣言する訳でしょう。これはおかしいと思いますよ。人間が人間の死を決めるのは、おかしいです。
何故でしょうか? ――その辺になってくると、それ以上は追求しないですね。追求して、本当の事が分かってきたら、今までやってきた事がみんな駄目になってしまうからですね。
以前ありましたよね。植物状態の人間になってから、15年も経った人が、突然意識を取り戻した話が――。生き返った人がいるんですよ。
植物状態になった人の心=魂は、ここに(自分の肉体の直ぐ近くに)ちゃんといるんです。ただ、自分の肉体に入れなくなっているだけなんです。痙攣とか、他の原因で肉体にコンタクト出来なくなってしまっただけなのです。
15年目に帰って来たこの人は、自分のお母さんが亡くなったのを、ベッドに寝ていて、(心の眼で)観ていたんですね。意識はあるんですが、ただ次元が違うんですね。脳が働かないから、肉体にコンタクトが出来ないだけなんですよ。
この人はお母さんが亡くなるのを観て「おかあさんっ!」と叫んだのです。
そうしたら、バーン!と、自分の肉体に入って来る事が出来た訳です。
――こんな事があるんですね。
「あっ、わたし……今まで、何をやっていたのかしら……」
「あなたはね、長い間、眠っていたんですよ」
ということなんですね。
本当は、心臓が止まった時が、死なのです。
何故ですか? ――人間は、精子と卵子が、結合して出来たものかもしれませんが、実は、心臓は神の領域であり、直接神のものなんです。神が動かしているんですよ。
心臓から出る血液は、厳密に言ったら神の所有物なんです。神の水なのです。
心臓は、心の蔵でしょう。血液がグルグル……回っているんですね。お互いに輸血をしたり出来るのは、神のものだから出来るんです。
精子と卵子も当然、神のものですね。結合して暫くしたら、人間は、先ず心臓が出来る。そして血液が流れ始める。そして核分裂を起こして、三ヶ月になったら、身体が出来てくる。二ヶ月だったらまだ分からないですけれども、三ヶ月になったら、もう親に似ているんですよ。顔は分からないけれども、形は親に似ているんですよ。そういうふうになってくるんですね。
そうすると、輪廻しているんですから、先ず心臓から出来るということは、人間終わる時は、心臓がストップして終わりなんですよ。――そうですね。
1989年5月