心の旅路

 

第三話 『日本人』関連の参考講話 短編集

 

8、病気に負けない心

(342ページ『病気の原因』参照)

 

私の処には、よく身体の悪い人が来る。

「先生、私、何処が悪いんでしょうか?」

「私、医者じゃありませんよ! 知りませんっ」(笑)

「いや、そんな事言わないで、教えてくださいよ」

「あなたは、こういう処が悪いですよ。しかし、私は医者じゃないから、よーく診察して貰いなさい。レントゲンを何枚も撮って貰いなさい」

と言うんです。その為にお医者さんはいらっしゃるんですからね。病院に行ってレントゲンを撮るくらい、別にどうという事はないでしょう、切ったり貼ったりする訳じゃないですからね。

今は風邪をひく人が本当に多いですよね。風邪がいろんな症状を起こす訳です。

「もう、死にそうです」と言って来る人がいるんですよ。

「あなたはね、風邪なんですよ」と言っても、普通病気をした事がない人は、そうなってくるんですね。もう大変な病気になったように感じる。

身体が少しぐらい悪くても「なにくそ」と思ったら、別にどうという事ないですよ。それを、「ダメだ」と思ったら、悪くない処まで悪くなってしまう。

これは以前、私の知っている人が、相談にみえて、

「ズーッと頭が痛くてたまらないんです。治らないのですが、一体何でしょうか」

「あなたは、風邪でそうなっているんですよ」

と言ったんですが、その人は気になって、やはり念の為に病院に行ってみた。そうしたらそこのお医者さんは、

「あなたは風邪なんかじゃないですよ。よく調べてみましょう」

と言われ、その後、結局二ヶ月という入院になってしまったんですね。

先ず注射をされ、頭の痛み止めの薬を飲まされた。

しかし、その薬を飲むと頭が張り裂けそうに痛くなる。それで、医者に言ったら、

「それじゃあ、この薬にしましょう」

と、違うのを飲んだ。そうしたら、今度はお腹にきた。(笑)また言ったら、

「今度はこれにしましょう」

と言われた。その人は、何だか自分が実験されているような気がしてきた訳ですね。しかし、入院しているからどうにもならない。そのうちに糖が下り始めた。

「あ、あなた糖尿病ですよ」

と、遂に糖尿病の治療まで始まった。

最初、頭が痛いだけだった筈が、遂に今度は糖尿病になった。(笑)

そして身体が段々おかしくなって、或る日、これはいけないと看護婦さんを呼んだ。そうしたら……分かりますよね、医者を直ぐに呼んだ。

そして、医者が飛んで来て大騒ぎになったそうですよ。完全に糖が下りて来て、死ぬ一歩手前だったそうですよ。医者は青い顔をして砂糖を持って来て、どんどん舐めさせたそうですよ。砂糖や生姜や薬を飲ましていろんな事をしたそうです。(笑)

そうするうちに、私がそちら方面に話をしに行く日が近づいてきた。その人は私に相談しようと思って、もう退院するつもりでいたんですよ。

しかし、相変わらずそこのお医者さんは、いろんな治療をして退院させないものですから、もう待ちきれずに、病院を逃げ出して来た訳です。荷物も全部置いたまま

家に帰ってきた。奥さんに荷物を取りに行って貰おうと頼んだら、

「わたし行くのイヤだ」

と断られた。(笑)そうしたら、友達が行ってくれた。そこのお医者さん曰く、

「あの人は、逃げ出して行ったけど、三日もしたら救急車で運ばれて来ますよ」

と、友達にそう言ったそうですよ。

一週間したら段々良くなって糖尿が治ってきた。――その薬を止めたからですね。

入院中に、私は一回会いに行った事があるんですが、その人から、

「先生、今こういう薬を飲んでいるんですが……」

「あなたは、未だにこんなものを飲んでるの。飲む飲まないは自由だけれども、今あなたが飲んでる薬を一切止めなさいよ」

とそう言ったんですよ。止めたら元に戻りますよね。

結局、止めたら元気になった。そうするとこれは、その薬でそうなってる訳ですね。

そういうお医者さんだったら、そんな事は一切言いませんよ。

「あなた、糖尿病ですよ」「そうですか」で、終わり――。

やはり、これは診て貰う方が、ちゃんと病院を選ばなくてはいけないですよ。

この高橋信次先生の話を聴いて、聴いた人がそれを受け取ってどうするか、そのやり方と同じですよ。別に変わりないですね。

それで、その人、他の病院に行って診て貰った。そうしたらそこのお医者さんが、

「なんだ、そこの病院、酷い事をやっていたんですねえ」(笑)

と言われたそうですよ。これじゃあ、しょうがないですよ、医者同士でそんな事を言っていたんでは――。

私のよく知っている医者が言ってましたけれども、この頃は、お医者さんが多くなって、何処でも困っているそうですよ。そのくらいお医者さんが一杯いるんですよ。

毎年、医大を何千人と出て来る訳ですからね、そのうち患者さんよりお医者さんの方が多くなるんじゃないでしょうか。(笑)

そうでなくてもこの頃は、学校に行っても、あまり勉強もしないでお医者さんになる人がいるそうですから、病気の事がよく分からない人がいますよ。――いや、これは私じゃなくて、お医者さんがそう言ってるんですから間違いないですね。(笑)

知り合いのそのお医者さんから、

「朽木さんね、この頃の医者はね、余程注意しないと殺されちゃうよ」(笑)

なんて言われましたよ。

やはり、自分がお医者さんにかかる時には、心をちゃんとしておかないと 〝類は友を呼ぶ〟 の法則に従って……(笑)おかしな方に行ってしまいますよ。

最近はお医者さんも聴診器を使わなくても、器械のスイッチを押すと、パーッと結果が出て来る。本当ですよ。しかし、データはそんなに入っていませんから、一人一人の身体の本当の状態は分からないですよ。

人間は一人一人、みんな心も身体も違う。本当は器械でやる訳にいかないんですよ。

ところが、これからの医学はどんどんそうなっていきますね。

ですから、中には病院に行って器械を通してレントゲンを撮ってみたら、例えば、癌が写っていても、癌でない事もあるんですよ。そんな人がいますよ。これはいろんな作用でそうなるのですが、その人の心の状態によって、そういうものが写る場合がある訳ですね。

ですから、手術しなくてもいいのに、切られちゃったという人も出て来る訳ですよ。今、誤診というものが多いでしょう。

私の知っている人で、この人は脳腫瘍で、四~五日後に手術という時に、私の処にみえたんですよ。手術が順番待ちで、病院の約束まで取ってきて、それまでしたのに、私にまた聞きにみえたんですね。確かめに来たんでしょうね、きっとあれ……。(笑)

「先生、私は手術してもいいんでしょうか?」

「あなたはね、脳腫瘍なんかじゃないですよ」

「しかし、レントゲンには、はっきり写っているんですが……」

「手術するしないは、あなたの自由だけれども、あなたから尋ねられたから、私は言うんであって、あなたは脳腫瘍じゃないですよ」

「そうですか……。先生がそう仰るなら、私は手術を止めます」

「そうですね、行かない方が良いと思いますよ。断っていらっしゃいよ」

と、何だかそういう話になったんですね。

その人、とうとう手術をしなかったんですね。あれからもう何年も経ちますけど、未だに元気にしておられますよ。脳腫瘍が固まったのかどうか知りませんけどねえ……。(笑)あの人は、あのまま手術してしまったら、えらい事になっていたでしょうね。今頃、御陀仏ですよ。

そういう人、沢山いるんですよ。まあ、みんな分からないでいるけど、そういう誤診というものが現実にあるんですよ。

しかし「そうだから、医者が悪い」と、私は言っているんじゃないですよ。

これはやっぱり「自分の心を信じていないと、そういう事になってしまいますよ」ということです。

その人は、よっぽど心掛けが良かったんでしょうね、きっと――。

ですから、身体が悪い時には、自分というもの――心の中をよーく振り返る必要があるということですね。

本当にそういう事があるんですよ。

脳腫瘍の人に、そう言った私だって吃驚してしまいますよね、私は医者でも何でもないですよ。私自身が知らない事を、その人に言っているんだけど、言ってるのは私だから、やっぱり私だよね、言っているのは……。(笑)

――だけれども、そうじゃないんですよ。言ってるのは、実は次元の違う処から、他の人から伝わって来て、私の守護霊が、私の口を通して言ってるんです。

人間って素晴らしいんですよ、そうでなかったら分かる訳がないですよ。

そういう事があるんですよ。

「それじゃあ、朽木先生に何でもかんでも聞いてやれ」って……そういう事じゃありませんよ。(笑)

これはね、私はお医者さんの悪口を言っているんじゃないですよ。お医者さんが全部駄目だと言ってる訳でも、薬が全部駄目だと言ってる訳でもないんですよ。

お医者さんとか先生とかは、天職ですよね。お医者さんは必要ですよ。また、当然お医者さんでなければ出来ない事もある訳です。

私が言っているのはね、もっとお医者さんに〝心〟 というものを知っていただきたいということなんですね。



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