終章
1、故郷の星――誰でもある あの世の自分の家
人間には、誰でも自分の帰る処がある。家がある。
私は平成五年頃に、心の中から、
「自分の故郷に帰る準備をしなさい」
と、何だかおかしな事を言われたんですね。「準備しなさいって、もうそろそろダメなのかなあ……」と思ったりしてみたりね。(笑)
私達には、どんな人でも故郷の星があるんですよ。
人間というものは、素晴らしいですね。
「あなたの帰る星がある。あなたはそこから出て来たんだよ」
「星は何処にあるのかなあ……」
――これは心の中に段階があるんですね。あの世には、魂の段階がある。
そう言うと、
「わたし、この辺かしら」
と、上の方に行きたいけれども、(笑)そんな事、思いなさんなということですよ。
「自分は下の方だと思いなさい。最低の処だと思いなさい」
と、私はよく言うんですよ。
その最低の中で一所懸命に生きていけば良いんです。――分かりますね。
高橋信次先生は、
「自分に負けてはいけないよ。自分の心に負けてしまうから、おかしな事になるんじゃないのですか。みんな結果を見てあたふたしているんじゃないですか」
と仰っていますね。
よーく考えてご覧なさい。全部、自分で原因を造った事ですから――。
それを人のせいにしたり、人に「どうにかしてくれ」と言うのはおかしいですね。
そういう事を自分で分かるような心になってください――ということです。